歯科健診で未然に防ごう! 歯周病と深く関係する病気の数々
日本人の成人、約70~80%が罹患しているといわれる「歯周病」。近年、歯周病がお口のトラブルだけにとどまらず、全身にさまざまな病気を引き起こすことが多くの研究結果から明らかになってきました。では歯周病はどのような病気を引き起こすのでしょうか?
さまざまな病気を全身に引き起こす歯周病
歯周病の関連が明らかになっている全身疾患は以下のものがあります。
- 脳梗塞
- 誤嚥性肺炎
- 心筋梗塞
- 心内膜炎
- 動脈硬化
- 糖尿病
- 低体重児出産、早産 など
たとえば糖尿病の人はそうでない人に比べ歯周病にかかっている人が多いことが知られていましたが、逆に歯周病になると糖尿病が悪化することがわかってきました。さらに歯周病と糖尿病との深い相互関係を示すように、歯周病を治療すると糖尿病も改善することも明らかになっています。
シニアの方と妊娠中の方は積極的に歯周病予防を
このようにさまざまな病気の原因、誘引させる歯周病について、特にシニアの方は誤嚥性肺炎、妊娠中の方は低体重児出産と早産に注意してほしいと思います。
誤嚥性肺炎は食べ物などの異物が誤って肺に入ることによって発症する肺炎です。異物とともに入り込んだ細菌が肺に炎症を起こしますが、その細菌の多くは歯周病の原因菌であるといわれています。シニアの方は気管に入った異物を排出する力や免疫力が弱まるために、さらに誤嚥性肺炎の発症リスクが高まるのです。
歯周病の原因菌は血液の流れを介して全身のあらゆる場所に「病気」としてさまざまな影響を及ぼしますが、子宮内の胎児も例外ではありません。妊娠中の女性が歯周病にかかっていると低体重児出産や早産の危険率が約7倍にも上ります。
妊娠中は女性ホルモンの影響で歯肉炎・歯周病にかかりやすいため、なおさら注意が必要です。
お口の健康は全身の健康につながる。ぜひ定期的に歯科医院へ!
歯周病と全身疾患の関係が示すように、お口を健康な状態に保つことは全身の健康状態も良好に保つことがわかりました。
歯周病は「予防」できる病気です。しかしお口の健康管理を独自にきちんと行うことは難しいもの……。そこで歯科医院を受診し、歯周病も含めお口の健康チェックを定期的に行いましょう。プロの手を借りることは、健康への近道です。